リノベーション 2018.01.12

別荘のチューンナップは資産価値を高める?

熱海 リゾートマンションのリノベーション

熱海フロント・ローにあるレジデンス

クライアントからの依頼で熱海にあるリゾートレジデンスのリノベーションを行った。レジデンスのある場所はビーチが目の前にある恵まれたロケーション。その担保された眺望と利便性が良いことが特徴である。近年加熱状態にある熱海のリゾートマンション市場の中でも、フロント・ロ-はとくに人気があり分譲価格を上回る事案も出てきている。市場に出れば瞬く間に買い手がつくというプレミアユニットである。今回手がけたユニットは2回目のリモデルとなる。数年前に行ったリノベーションでは分譲時の間取りのまま和とオリエンタルをミックスしたテイストで設えた。現オーナーが数年間利用し利用のスタイルが明確になったことで今回は大きく間取りを変更するプランとなった。

砂浜・港・相模湾・離島を望むロケーション。大型客船が目の前を通る様はゴージャスである

 

「普通の部屋はいらない、
 リゾートなんだから」

クライアントから希望内容をヒアリングしプランを提案したがNGが出された。次に提案した床や壁材のサンプルでも同じ内容のNGが出た。リゾート物件のリノベーションを多く手がけてきている経験から考えたものだったが意に沿わなかった。「普通の部屋はいらない、リゾートなんだから」というコメント。「そのとおり」である。非日常の空間の演出を改めて考えさせてくれる言葉だった。そこからはオーナーのやりたいことのコーディネートする役割にまわり今回の部屋が出来上がった。マテリアルの選択過程では「冒険が過ぎるのでは」という場面もいくつかあったが仕上がってみると楽しげな空間に出来上がった。今回の仕事を通じて新たな引き出しを得られた。ありがたいことである。

印象的なダイニングのウォール

 

別荘のチューンナップは資産価値を高める

今まで別荘のリノベーションを多く手がけてきた。我々のデザインコンセプトは「資産価値のある物件にする」こと。簡単にいえば市場のニーズを考慮し非日常空間を演出するデザインを施し、すぐに換金できる商品化されたで物件を造ることである。リゾート物件市場では商品化された物件は少ない。デザイン性なく趣味に偏って作られたもの、建築家のエゴで作られたもの、一般的な住宅と同じ仕様のものなど、リゾート市場で評価されるユニットに出会える確率は少ないのが現状である。どこかの住宅メーカーが「負動産」と「富動産」という言葉を使っていたが、商品化していない別荘は「負動産」、されている別荘は「冨動産」と考えられる。もちろん売ることを前提に別荘を求めるわけではないが、別荘物件もポートフォリオを構成するひとつの資産としてカウントするのは必然的なことだと思う。今回のリノベーション事案を通して感じたことは、黙っていても売れるロケーションのユニットであるが、リノベーションを行ったことでさらに価値が高まったことを実感した。「普通の部屋はいらない、リゾートなんだから」というオーナーのコメントは結果的に市場ニーズを捉えた内容だった。そのオーダーにデザイン性をもたせ洗練されたものに仕上がったケースといえるだろう。

オブジェ(ACTUS)

2LDKを1LDKに変更し大空間となったリビング。数年利用し導き出されたBEST PLAN

どの位置にすわってもシックリくるダイングテーブル(ACTUS)

 

インテリアが空間の豊かさを左右する

居心地の良い空間、美しい空間を演出する上で家具や小物は重要な役割を果たす。建物や部屋が普通であってもインテリアコーディネートされたユニットは素敵な空間になる。逆に建物や部屋が良くてもインテリアコーディネートされていないユニットは魅力がない。インテリアが空間の良し悪しを決めるといってもいいだろう。今回の事案ではインテリアコーディネートも合わせて行った。デザインコードはアメリカ西海岸。アメリカのビーチサイドカルチャーを感じるテイストで選択した。メインの家具はACTUS社のアイテムを使用した。ベーシックなデザインのものが多く家具が主張しすぎないところと質の良さが気に入っている。オブジェも同社で扱っているアイテムで揃えた。インテリアコーディネートしたことで居心地の良さと空間の質が高まった。新しく別荘を求めたときやリノベーションをした際にはインテリアに重点をおくこともオススメする。

ACTUS社のスツール

シェルフと壁紙(冒険と思われたチョイス)

オーナーが選んだ壁紙 勉強になった