ガーデンデザイン 2018.08.17

熱海来宮神社「楠小路」完成しました

OOKUSU GARDEN DESIGN

「メイ」がかけ抜ける茂みのように

 


 


2014年から境内の庭園や建物の意匠デザインを行わせていただいている熱海来宮神社。今回は約2年がかりで作庭していた竹のトンネルが完成した。昔から存在した神木「大楠」へ続く道をどのように位置づけ表現するか考えた結果、藪(やぶ)を作ることにした。イメージのルーツは子供の頃よく遊びで登っていた「熱海 日金山」の登山道。土沢の登山口からのルートは道も細くかがまないと通れないような場所。そのやぶのトンネルを駆け抜けていくと視界が急に開けたときの光景と爽快感。その時の記憶を思い出しながら小道の造形に取り組んだ。ちょうど宮崎駿映画「となりのトトロ」のキャスト「メイ」が精霊を追いかけて藪を走っていくイメージでその先には楠の巨木が現れる光景と重なる。小道の制作にあたっては、年間数万人が訪れる熱海の人気スポットだが小道はあえて歩きづらくした。道幅を狭く、側面は弧を描き足の置き場がよくないとバランスを崩す、樹木は低く多いかぶさる場所も用意した。雨の日は葉についた水滴が服を濡らすだろう。もちろんお年寄りやハンディキャップのある参拝者のバックアップを用意しての話だが、目的地にたどり着くための大変さを再現したかった。もともとこの神社の境内庭園のデザインコードは自然の林と決めて作庭に取り組んでいる。日常では感じることが難しくなったなんでもない山のなんでもない林。そんな空間を表現した。トンネルの主木は竹、低木はアオキやヤツデ、下草にはキチジョウソウ、ツワブキ、ヤブラン、クマザサなど日本の山で見られるものを植えた。雨落ちと日陰に強い植物たち。こうしてイメージに近い大楠へ続く藪ができあがった。子供たちがこの小路をかけ上がっていく姿を目にするのが楽しみだ。 (文 / T . H)


「楠 小 路」 

事業主:熱海 来宮神社
造園:楓翠苑(力石)
土木:丸仁土木(遠藤・常盤)
デザイン:O . L . A(作庭 / T.Hashimoto ・ネーミング / A.Iwasaki)




完成



小路整形前



深さ調整



小路掘削



小路整形



小路下地



真砂土左官



下草



植栽植え込み



植栽植え込み



完成


完成



完成




大楠